こんにちは!しろくろねこです
今回のテーマは「【こども誰でも通園制度(仮称)】保育は重要な社会インフラ、だけど…。保育サービスが充実すると職員の負担が増幅するジレンマ」です。
政府が掲げる「こども未来戦略方針」の目玉のひとつ、「こども誰でも通園制度(仮称)」。
保育の要件に関わらず保育所などを利用できる制度ですが、この制度が打ち出された時、保育士の皆様はどんなことを思いましたか?
え?今でさえ超大変なのに、また何かやらせるの?
そう思いませんでしたか??
私は思いました。
たくさんの子どもの安全を確保しつつ、保育を展開し、発達保障もして、保護者対応もして、多様な個性(障害含め)に対応しつつ、事務、環境整備、研修、後輩含めた他の職員のフォロー。
ローテーション勤務に会議、ややこしい人間関係…。
え?今でさえ超大変なのに、また何かやらせるの?
※2回目
不安になったので、軽く調べてみました。
以下、こども家庭庁「「こども未来戦略方針」~次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて ~」より、「こども誰でも通園制度(仮称)」部分を抜粋。
↓
家庭を対象とした保育の拡充~「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設~
0~2歳児の約6割を占める未就園児を含め、子育て家庭の多くが「孤立した育児」の中で不安や悩みを抱えており、支援の強化を求める意見がある。
全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付(「こども誰でも通園制度(仮称)」)を創設する。
具体的な制度設計に当たっては、基盤整備を進めつつ、地域における提供体制の状況も見極めながら、速やかに全国的な制度とすべく、本年度中に未就園児のモデル事業を更に拡充させ、2024 年度からは制度の本格実施を見据えた形で実施する。あわせて、病児保育の安定的な運営に資するよう、事業の充実を図る。
こども誰でも通園制度は「月一定時間までの利用可能枠の中で」「就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる」制度であることが示されていますね。
でも…。
ただでさえキャパ一杯で預かっているのに、今いる子ども以上に預かるなんてキャパオーバーじゃないのかな?
あとは、子どもも園に慣れるまでに時間がかかるよね。毎日登園していると、保育者とも信頼関係を築きやすいし、生活リズムもできるから慣れていくけど…。来たり来なかったりすることが、子どもにとっては負担なんじゃないかな。
次々と、色々な疑問が湧いてきます…。
出典:こども家庭庁ホームページ
↑「保育士の処遇も合わせて改善」なんて書かれていますけどね~。
どこまで、どうなんだい?というのも、大いなる疑問です…。
モデル事業で見えてきたもの
こども家庭庁が今、来年度(令和6年度)の本格実施を前に、全国31の自治体でモデル事業に取り組んでいます。
そこでは、以下のような課題やニーズなどが見えているようです。
・子育てのイライラや負担感が緩和されるなどの声があり、親子にとってよい支援になりそう。
・都市部では申し込みが殺到するなど、ニーズが高そう。
・週5回の問う園児と、週1~2回の登園児を一緒に保育することの難しさがある。
・子どもが園に慣れるまでに時間がかかる。
・定員割れをしている園なので対応できているが、定員いっぱいのでの実施は厳しいのではないか。
・保育に携わる人材確保が難しい。
・自治体や園によって、受け入れ体制や実施方法が様々である。
・こども家庭庁も、まだ手探り状態。
・保育者に負担感があることは、こども家庭庁も認識している。
※NHK首都圏ナビ「こども誰でも通園制度」先行自治体への取材で見えてきたものは 2023年7月31日参考
必要性は理解できるが、人材確保や受け入れ体制はどうなるのか
国は今までも「子育て支援」に力を注ぐべく様々な政策を打ち出してきました。
現場も頑張ってそれに答えてきたと思いますが、子育て支援が充実すればするほど、現場の負担が増大してきた事実は否めないところです。
今までのような、現場の「頑張り」「やりがい」頼みでは間もなく破綻するでしょう(というか、保育士不足や質の低下など、すでに破綻は始まっていますよね)。
保育は本来とてもやりがいのある仕事ですが、その喜びを感じる余裕がないほど、現場は疲弊していると思います。
現場の負担軽減や、処遇改善をどこまで本気でできるのかが「異次元の少子化対策」の大きなキーになるのでしょうね。
次回は「保育士の処遇改善」についても書きたいと思います。
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